先生に聞いた!「料理を楽しめる人は幸福度が高い」「美味しい料理は薬にもなる」の真意とは?

こんにちは、レシピ制作専門スタジオ事務局でございます。

少しずつ春の訪れを感じることができる季節ですが、お変わりなく過ごしていますでしょうか。

さて、今回は好評の先生へのインタビュー企画です。

先生たちから

「料理を楽しめる人は幸福度が高い」「美味しい料理は薬にもなる」

「Food can help people reach happiness.」

「The preparation of good food is merely another expression of art, one of the joys of civilized living.」

というお話を小耳にはさみました。

とても興味深いテーマになりそうなので、好評のインタビュー企画を実施することにしました。

まずは、先生たちの食卓の写真を参考にしながらお話を聞いていきたいと思います。

「我が家はこんな食事が大好きで、私はもちろん、家族も手料理を並べるとみんな

が楽しく、嬉しくなり、笑顔で喜んでくれます。

手間はかかりますが、様々な多くのお料理を小鳥が啄ばむようにいただくことが幸せだと考えています。美味しい!って自然と言葉があふれ出すと、作り手として高揚するものです。

その笑顔を間近に見ることができるのは、役得かなと思いますね」

いつ見ても先生の作る料理は素晴らしいですね!先生が料理に目覚めたきっかけは?

「私自身が大の食いしん坊で、美味しいものを小さな頃から知っているからというのが、最初のきっかけだと言えると思います。

ありがたいことに、神戸という街には、美味しいお店がたくさんありました。それとグルメな両親のおかげです。両親が食に対して興味がなければ、子どもだった私が美味しいものと出会うこともなかったと思います」

近年、コロナウイルスの感染拡大に伴い、巣ごもり需要がありました。

特に2022年度は、料理に興味を持たれる方が増えた印象がありますよね!

「はい。あるデータによれば、「だいたい毎日料理をする」という人は1997年では30%台だったにも関わらず、2022年には43.5%に増え、その数値は年々増加しているとか。

男性で料理をだいたい毎日すると答えた人の割合も増加傾向にあるそうです。

ところが、興味深いのは、「料理をつくるのが楽しみのひとつである」という問いに対して。

男女全体では1997年から減少傾向で、特に料理を楽しみではないと答えた層があります。

それはどのような方々だと思いますか?

それはずばり、30代・40代の女性だそうです。

なんと、料理を楽しんでいると答えた人は半数以下にとどまっています。

さらに興味深いレポートとして、「わが家の味をつくる努力をしている」と答えた割合についてです。

その割合は1997年では52.4%でしたが、2022年では28.5%と減少しているそうです。

この数字から推測するに、料理をされる方は増えているのに、我が家の味がないものが増えてしまっている、料理を楽しめない人が一定数いる、これは見過ごせない現状だと思っています」

先生がモットーとされている「料理は教養」という言葉ですが、私たちスタッフも、本当にそうだよね!と感心しています。

「人生において、最も大切なものは”食”にあると考えています。衣食住が人間の暮らしの基板ではありますが、中心にあるのは、”食”だと思います。

もちろん、衣服、住居についても、同様に教養というものが付いてくると思います。

オシャレな服をただ単に着ていることと、オシャレな装いができるということは、本質的に異なるものですよね。

料理スキル、たったそれだけのことですが、それだけあれば、そもそも料理の時短なんていらないですし、必要以上の薬だっていらないです。

体調が崩れてきたと思えば、食生活で改善できるし、気候や風土によって、食べている食事が違うと考えれば、その人に合った食生活というものがあるはずです。

そして、世界中の人たちが一番集まる場所というのは、食事をする場所です。

首脳会議などのサミットでは、食事がおもてなしとして親しまれています。

それぐらい重要な行為というわけです」

なるほど!まずは料理、食事の重要性を理解することが大切ですよね。スタッフ間の話題で恐縮ですが、大都市に住んでいるのに、大都市部は、食の幸福度指数が世界一不幸なのでは?と考えてしまいます。

「大都市には、和洋中、ありとあらゆる食ジャンルのお店があり、食の選択肢としては豊かなはずですよね。それにも関わらず、食に対する幸福感に差があると感じています。

食事には興味があるけど、料理自体に億劫な方も多く、市販されているもの、加工済みの総菜、インスタント食品など、カロリーを摂るためだけに食事を摂ってしまう。

美味しい幸福よりも、胃を膨らますカロリー摂取を優先してしまうとか、ダイエットなどで仕方ないって方の声もよく聞きます。

でも、料理をすることは、とても楽しいことなのだと強調したい。

料理というのは、食材を選ぶことから始まり、旬を意識したり、産地をチェックしたり。

それらを簡素化し、楽にすればするほど、

大きな満足、作ることの楽しさ、食べる嬉しさ、幸福を失っていっていると思います」

確かにその通りですね!そして近年は”タイパ”という言葉がブームですが、この点についてはいかがでしょうか?

「タイムパフォーマンス、それ自体は悪くないと思います。

ですが、あまりにも”時短”にこだわりすぎではないでしょうか。

時短、時短と言われ過ぎてしまうと、ウンザリしてしまいませんか。

すぐできます、これだけあればいい、めんつゆ一本で、などなど。

確かに聞こえはいいですが、食べる人たちは、あなたが時短料理をしてくれたから嬉しい!なんてリアクションをするでしょうか。

うちの料理、全部めんつゆの味なんです!と言われて、困ってしまうことがあります。

そもそも、時短は手段であって、目的ではないはずです。

これだけは強調させていただきたい。

時短は手段であって、目的ではありません。

たとえ仕事が忙しくても、料理のスキルがあれば、短い時間でも美味しい料理を用意することができます。

知恵と工夫で、外食以上の美味しい食事が家のテーブルに並ぶ。想像するだけで、素敵なことだと思いませんか。

めんつゆを使わなくても、お醤油、お砂糖に、清酒や味醂、カツオ節と、様々な調味料をさっと合わせれば、美味しい味付けは完成できます。

美味しい幸福を、家族にだって、周りの人にも分け与えることが出来ると思います。

仮に体調を崩している家族がいれば、美味しい薬としての食事で分け与えることができるのです」

なるほど!先生の発信で、料理やグルメに関心を持つスタッフも増えました。

「若い世代に関して言えば、男性が料理をする頻度が高まっているそうです。

ただ、世界水準で分析すると、世界の中で、日本は決して料理頻度が高い国ではないのです。

世界のトップ10だと言われているのは、ラオス、ベネズエラ、インドネシア、ノルウェー、ベルギー、エルサルバドル、コスタリカ、アイルランド、イタリアだとか。

また、日本人の男女別で、料理をするかどうかの違い、いわゆる、ジェンダーギャップという観点でいえば、男女の料理頻度の差は約3倍。まだまだ、料理は女性がするものであるという意識が根強く残っているのです。

我が家の味はなくなっていき、懸念されるのは、失われていく世界中の食文化、伝統食。

なくなっていく一方、それらを求めたグルメ好きも増えているなと思います。

ただし、グルメ界隈での美味しい食事というのは、決して健康的ではないものが多いですよ。実際、外食に頼り過ぎて、体調を崩したという相談を受けることもあります。

それらは私にとっては、好ましいものではありません。

もちろん、外食では良い刺激を受けることも多く、私の食への料理への情熱を沸き立ててくれるものに出会うと、とても嬉しいです。

楽しくて意欲が湧くものも多いですが、反対に美味しくないものや、このお料理は家で作れるものばかりじゃない…と、残念なものに出会うこともありますね。

わざわざ、食べに行くものなの?と思ってしまいますが、それらを求めて外食を楽しんでいる方が多いのも現状です。

日本には多民族の食文化が入り乱れていますが、米国のような味より量な食事を受け入れてしまっているように感じています。

お腹を満たすために、本当の美味しいものの基準も知らないと、もったいないですよね。

特に若い世代で言えば、当たり前のように、寿司を食べる場所として、回転寿司チェーンを利用している。

一部の地域では、外食のほとんどが、回転寿司チェーンだとか。

回転寿司は悪くないと思いますし、回転寿司によって、ネタの鮮度、産地含めて、こだわっているお店もあります。

ただ、やはり、職人の握る寿司とは、まるで違いますよね。

回転寿司だと、本当の美味しいお寿司の味わい、それは例えば、海苔の美味しさだって、酢飯の美味しさだって、知らないまま。

ロボットが握るシャリは正確かもしれませんが、酢飯の味付けは、どこも同じ。

料理で酢飯を作る時、酢飯のさじ加減ができるでしょうか。

自宅で酢飯を用意するとき、家にロボットはいないですよね。

大人になるまでの間、一度でいいから、寿司に使う、海苔の風味、酢飯の味付けというものを知っておいても、決して損はないと思います」

なるほど!先生の料理を拝見し、料理の勉強をしている私たちにとって励みになりました。最後に何かメッセージはありますか?

「私が伝えたいのは、料理は教養であるということ。

それは単にグルメを求めて、外食をすればいいということではないのです。

料理は教養で、よし、外食をします!と言われても、外食をするなら、外食するうえでの意識が大切ですよね。

それに、外食だけでは健康は手に入らない。

ならば、自分で作ろうじゃないかと。『美味しい=健康』の理想を追求しています。

だから美味しい我が家の食卓。料理スキルが高ければ高いほど、幸福度が格段に上がるという確信は、私の研究からもわかります。

外食した時に、美味しいな、これは作ってみたいな!と考えてみて欲しい。

外食での出会いで、料理は変わります。大事なのは、それらを自分の手で生み出すことに喜びを感じられることです。

私もまだまだ、これから。もっともっと、美味しくなるのだという自信があります。

ちょっとした工夫と知恵と経験で、これからの人生をより豊かにできるもの。

それは、『料理と食』です。それらを子供にぜひ受け継いでもらえるように、

料理を楽しんでもらえたらと思います」

いかがだったでしょうか。

先生の料理に対する情熱、探求心、創造力に圧倒されました。

先生に影響を受けて、私たちも料理は教養をモットーに、日々、励みたいと思います!

ご興味のある方はホームページ、各SNSなどもチェックしてみてください。

-----------------------▼記事に登場する先生方やスタジオのご紹介▼-----------------------

◆レシピ制作専門スタジオ/クッキングクラスについて

2002年より神戸の新しいお料理教室として、オーガニックの要素を取り入れオリジナルの料理やパーティー・おもてなし料理を提案。レシピ制作専門スタジオでは、企業向けのオリジナルレシピ開発、タイアップ企画レシピ、連載レシピコンテンツ、料理動画コンテンツ、飲食店のメニュー開発などを提供中。

◆指宿さゆり先生のプロフィール

神戸出身。アメリカなどでパーティ料理やオーガニックを学び、2002年にクッキングクラスを主宰。神戸スタイルの新しいお料理教室として、オーガニック、精進料理の要素を取り入れ、オリジナルの料理やパーティ・おもてなし料理を提案。これまでに多くの卒業生を輩出し、卒業生による料理教室は神奈川県、京都府、鳥取県、長崎県など、東日本から西日本まで、幅広いエリアで開業。カフェ店舗開業では兵庫県明石市・西脇市で開業し、教室で学んだレシピがメニューに。レシピ制作専門スタジオでは料理研究家代表として企業向けのオリジナルレシピ開発、タイアップ企画レシピ、連載レシピコンテンツ、飲食店のメニュー開発などに従事。また、大の蕎麦好き、スパイス通でもあり、蕎麦やスパイス料理をテーマとしたグループも運営している。

【Mail】recipeibusuki@gmail.com

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IBUSUKI SAYURI

2002年に料理教室を開講。ジャンルレスのオリジナルの料理やパーティー・おもてなし料理を提案しています。現、レシピ制作専門スタジオ。

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