【新プロジェクト】自家製ウインナーの研究、魚肉を使ったソーセージ作りに挑む!

こんにちは。

菜々食クッキングクラスの事務局スタッフです。

当クラスは、2002年より神戸の新しいお料理教室として、オーガニックの要素を取り入れオリジナルの料理やパーティ・おもてなし料理を提案しています。

それぞ れのシーンや目的に合わせたコース設定で、プロ向けの「料理研究家コース」、カフェ開業希望者向けの「カフェメニューレシピ」、妊婦・マタニ ティ向け「身体にやさしいお料理&離乳食レシピ」、お子様向けの「キッズシェフ育成クラス」など、ご要望に応じて、幅広いニーズにお応えしてきました。

その後、飲食店や食品メーカー様のご要望にお応えし、レシピ制作のサービスをスタート。

レシピ動画制作、オリジナルレシピ開発、飲食店メニュー開発、レシピ記事制作はもちろん、グルメ雑誌、インタビュー取材、取材記事、各種コピーライティング、研修サービスなどさまざまなコンテンツ制作のサポートも承っています。

さて、今回のプロジェクトは、自家製ウインナーの研究、魚肉を使ったソーセージ作り。

ウインナーのように市販されている加工品もありますが、今回は

市販品を使うのではなく、手作りで、どのようなものが作れるのか、

これまでの経験やノウハウを集約して取り組むことになりました。

そのきっかけは、ある水産系のメーカー様より。

「魚介類を使ったソーセージを作ることは、可能でしょうか?」

可能かどうか、その依頼に対して、私たちは応えるしかありません。

一般的に販売されている魚肉ソーセージと言えば、

子どもの頃に食べたという経験があるという方も多いかもしれません。

例えば、有名なのはニッスイ社の「おさかなのソーセージ」でしょうか。

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商品特長

おさかなと植物性素材が主原料のフィッシュソーセージです。

~中略

とめ金のない「エコクリップ」を使用しています。

保存料・発色剤を使用していません。

常温で保存できます。

本品1本分のカルシウム含有量(350mg)は、1日あたりの栄養素等表示基準値に占める割合の51%です。

一般に疾病は様々な要因に起因するものであり、カルシウムを過剰に摂取しても骨粗鬆症になるリスクがなくなるわけではありません。医師の治療を受けている人は、医師に相談してください。

1日当たり1本(70g)を目安にお召しあがりください。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

--------------------------------HPより引用

商品の特長が記されているページを確認すると、

魚肉ソーセージの特長を理解することができます。

普段、何気なく購入している商品かもしれませんが、

「商品のホームページを個別で確認することはない」

「店頭、もしくは商品パッケージ以外の情報を得ることはない」

という方も多いのではないでしょうか。

実際、教室メンバーも商品裏に記載されている成分表示、

使用している原材料は確認したことはありましたが、商品のOfficialページを

確認するということはありませんでした。

特に保存料や発色剤の不使用であったり、食事のバランスを大切にしてほしいというメッセージであったり、

今回、自家製のウインナーを作るにあたり、

ニッスイ社がどのようなコンセプトや意図で商品を作っているかどうか、

原材料をはじめ、どのようなことを重点として商品を開発しているかどうか、

新たに知ることが出来て良かったと思います。

さて、本題に戻りますが、今回は魚介素材を使ったソーセージ作り。

まずは天然羊腸を取り寄せることにしました。

◆天然羊腸について

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天然腸とは?

羊や豚の小腸を加工して薄い膜にした物です。

天然腸の流れ(港から食卓まで)

ニュージーランド、オーストラリア、中国などから、塩漬けにして輸入された天然腸は、動物検疫と食品検査を受けなければなりません。

このような検査を経て、食品として安全であると認められた天然腸は、通関を済ませてから羊腸業者へと運ばれます。

そこでサイズ別にパイプに巻き取られ、ハム・ソーセージメーカーに納められます。

肉や香辛料が天然腸の中に詰められてソーセージのできあがりです。

天然腸詰めソーセージがおいしいわけは

肉と腸との一体感があり、食べたときの食感が程よく、天然腸自体にもほんのり”味”があるからです。

人工腸との見分け方

人工腸詰めソーセージはまっすぐです。

天然腸詰めソーセージは自然に曲がっています。形が不ぞろいで曲がっているのが特徴です。

健康に美容にもよい天然腸

天然腸はいわばコラーゲンのかたまりです。

コラーゲンが健康食品や化粧品に使われているのは皆様ご存じのとおりです。

味覚にも健康にも美容にもよい天然腸を使ったソーセージをぜひめしあがってください。

朝食に、お弁当に、パーティーに、ソーセージほど便利なものはありません。


-----------------------------------HPより引用

こちらの情報はJNSCA(日本羊腸輸入組合)によるもの。

羊腸について詳しく学ぶことがあります。

まずは羊腸をたっぷりの水に入れて塩抜きをします。

腸はたっぷりの塩で保存されているため、保存用の塩を振り払い、使用する分だけ

切り取る、もしくはすべて塩を取り出す必要があります。

使わない分は塩で漬けておけば一定期間は保存することができますが、

塩で長期間保存ができるということは、ある意味で、先人の知恵なのではないかと思いました。

もちろん、今回は腸詰を前提に進めていますが、腸詰を使用しないでウインナーソーセージを作るというアプローチもありますし、むしろ、腸詰をしないで作るという方向性を大いに検討するべきではないかという考えもあります。

腸詰を使用しない場合、ラップにウインナーソーセージの形にくるみ、蒸して調理することで代用もできます。

特に腸を使わない食材にしたいという場合、幼児向けに魚を摂取したいと考えている場合などであれば、腸詰という工程は必須ではないのではないかと思います。


肝心のタネづくり。

今回はブリ、エビなどの具材を使うことにしました。

メインとなる魚は、ご家庭で手に入りやすいものでよいかと思います。

そして、大事なのが、スパイス類などのアクセント。

魚はもちろん、肉類でも共通していますが、

魚や臭みを抑えるためにハーブを使うのがおすすめです。

料理に食欲をそそる香りを付けることができ、

魚や肉などの素材の臭みを抑えてくれるでしょう。

ハーブと言っても色々と種類がありますが、今回はバジルを選びました。

タネにはできるだけ多くの具材を用意すれば、自分の好みに合った仕上がりになります。

そして、素材の旨味を引き出してくれるニンニクをプラス。

他にはスパイスとして、ナツメグ、オールスパイス、粗びきガーリックなどをプラス。

これで味付け自体は完了ですが、食感も調整する必要があります。

魚肉ソーセージを食べたことがある方も多いと思いますが、

ソーセージ特有の食感、お肉のソーセージを食べたときとのギャップも含め、

メインとなる魚系の素材以外にも複数の調味料や素材を加えました。


口金に腸をセットしたら、タネを絞り出していきます。

口金にセットする際、腸が破れないように気を付けるのがポイントです。

腸をセットして感じますが、世界で初めてソーセージの開発をした人は偉大だなと。

生き物の腸の中に、肉をミンチしたものを詰めるというのは、ものすごい発明ではないでしょうか。

すでに既存のものとして流通しているものを消費するだけでは

そのもの自体が生産された背景や意図などを含めたことを理解することは困難ですが、

このように研究をすることで、ソーセージを作るということの大変さや

難しさを実感することができたのは大きな成果ではないかと考えています。

ちなみに、腸詰には一定のコツがいることがわかりましたし、

腸は人工物ではないため、当然、品質のばらつきがありますし、ときには

腸詰している際に破れてしまうということもあります。

もし腸が破れてしまった場合、破れたところで長さを調整するとよいでしょう。


ウインナーソーセージの両端を持ち、2~3回転ほどねじっておきます。

ここでも腸をねじる際、腸が破れないように気を付けます。

今回の研究で実感しましたが、市販されているウインナーソーセージとの違いは、好みの味付けや調味料を選べること。

例えば、個人の好みに合わせて味付けをかえたり、スパイスを加えたり、香りづけにハーブをプラスすることもできます。

手作りのウインナーソーセージはアウトドアクッキングでも大活躍しそうです。

自宅で材料を用意しておき、屋外で腸詰するとよいでしょう。

今回、新たなプロジェクトをスタッフ一丸となって取り組んだことで

色んな学びと気づきがありました。

ここで必要なのが、仮説の量と質。

つまり、わかりやすく言えば

「あのソーセージの食感に近づけるためには、この食材がいるのではないか?」

「この味に仕上げるためには、Aは加え、Bを省くべきではないか?」

こうした仮説に基づく検証が必要なわけですが、

一つひとつを細かく検証する場合、そのパターンは膨大であり、

すべてを検証することは現実的ではないと考えています。

そのためには、既存の商品を研究し、どのようなことを考え、アプローチするべきかどうか、この食感を実現するためには、Aという要素が必要であるとか、

ある程度、経験に基づく仮説を設けることで、すべてのプロセスを実行するわけではなく、

意図的に省くということも可能になるのではないかと考えています。

スタッフ一同で試食しましたが、お肉のウインナーソーセージとは違った

新たな味わいとなり、大きな成果を上げることができました。

◆今回の研究で学んだこと

・研究には仮説の量と質が重要である

・特定の食文化、趣味嗜好ではなく、ニュートラルな視点が欠かせない

・一つの事象に対して時間経過とともに更なる可能性がある

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◆レシピ制作やタイアップ、セミナー、視察見学に関するお問い合わせ

兵庫県神戸市兵庫区:菜々食CookingClass 運営事務局

Mail:saisaishoku@live.jp

IBUSUKI SAYURI

2002年に料理教室を開講。ジャンルレスのオリジナルの料理やパーティー・おもてなし料理を提案しています。現、レシピ制作専門スタジオ。

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